ノートを使いこなしているひとに対して、僕には強い憧れがあります。浮かんだアイデアなどをメモする。レストランで食べたものや料理のレシピをまとめる。旅行先でスケッチする。かわいいパッケージをマスキングテープで留めてキャーってする。鳥の鳴き声を聴きながら窓辺でポエムをしたためる。全部うやらましい。生活が充実してる感じがとてもかっこいい。
僕も「わたしらしいマイノート」を作るために、ロディアやモレスキンなどいろいろ買ってみましたが、どれも数ページしか続かない。かっこいいノートに憧れがあるから、ついつい気負っちゃうんです。やっぱり僕にマイノートは作れないかも……となかば諦めていました。
そんなときに、野帳。正式にはコクヨの測量野帳といいます。その名の通り、測量士が現場で使うために作られたヘビーデューティーなメモ帳。1959年発売からデザインが変わっていないというのも、ロングライフデザイン好きな僕にぴったり。さらに、枚数が40枚、つまり80ページしかないので、何百ページも書かなくちゃいけないプレッシャーも少ない。安いのも素敵。
これはもう野帳しかないのではないかと、すがる思いでトライ。実際に使ってみると、薄くてかさばらないこのサイズ感がちょうどいいのです。表紙が傷ついたり角がつぶれたりしても許せる。だってプロ仕様だもの。ダイモでちょっとカスタマイズして、マイ野帳のできあがり。
週末に買うものリストをメモしたり、お出かけのときに娘がお絵かき帳として使ったり、777円のレシートを貼ったり。いまではもう気負うこともなく、マイノートのある生活を送っています。
写真撮影:ハマ