現存する唯一の京和傘屋「日吉屋」のペンダントライト

現存する唯一の京和傘屋「日吉屋」のペンダントライト

京都に唯一現存する京和傘屋「日吉屋」。伝統を受け継ぎながらも、新しい和傘の可能性を模索しつづけています。
和傘の手法を使いながらもモダンな要素を取りいれ、日本だけでなく海外でも高い評価を得ている日吉屋の「古都里-KOTORI- 」と「MOTO」は、日本の伝統美を感じさせながら、和室だけでなくさまざまなスタイルのインテリアにもおすすめできるペンダントライトです。
今回は和傘のルーツや歴史、五代目当主・西堀耕太郎など、日吉屋のペンダントライトを語るうえで欠かせない要素も紐解いていきたいと思います。
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古都里-KOTORI- HGペンダント φ708
古都里-KOTORI- HGペンダント φ708
MOTO 赤色
MOTO 赤色

和傘の歴史

和傘のルーツ

傘は古代中国で発明されたといわれています。最初は雨具ではなく、神聖な存在を護る魔除けや、貴人の上にさしかける象徴・シンボルとして使われていました。その頃の傘は開閉できない天蓋(てんがい)式のもので、お供の者が主人に差しかけたりして使っていたようです。1000年ほど前に仏教や漢字と同じく中国から日本へ伝わり、「きぬがさ」(絹笠、衣笠)と呼ばれました。
その後改良が進んで防水性をもち、安土桃山時代には「轆轤(ろくろ)」という仕組みで開閉できるように。現在と同じ雨除けとして広く使われるようになってからは「傘張り職人」が登場し、さらに技術が進歩していきます。元禄時代からは柄も短くなり「蛇の目傘」が登場したほか、店の広告としてや歌舞伎の道具としても使われるようになりました。制作過程は分業化され、江戸時代では失業した武士の副業にも。この頃には和傘は、おしゃれでかっこいい便利なものとして広く一般に普及しました。

和傘の現在

明治時代以降、洋傘の爆発的な普及と戦後の高度経済成長、それにともなう生活様式の変化で和傘の需要は激減。普段使いのものが伝統工芸品として扱われるようになり、雨傘としてではなく観光地で貸しだされたり、店舗の日よけ用に固定して使われたりする程度になってしまいました。現在では、岐阜・京都・金沢・淀江・松山などに十数軒程の和傘製造店が残っているのみとなっています。

日吉屋について

唯一の京和傘製造元

もっとも早くから和傘が使われてきた京都。シンプルながら最高級の素材と技術にこだわって発展してきた「京和傘」は、最盛期には200軒以上の和傘屋によって作られていたといいます。今ではたった1軒となってしまった京和傘屋が「日吉屋」です。京和傘の老舗として、五代150年以上にわたって和傘を作りつづけてきました。

五代目当主・西堀耕太郎

「日吉屋」五代目となる現当主・西堀耕太郎は、カナダに留学したのち市役所で通訳をしていましたが、結婚を機に妻の実家である日吉屋で京和傘の魅力に目覚めます。2004年に五代目に就任してからは「伝統は革新の連続」をモットーに「新しい和傘のカタチ」を模索。国内外のアーティストとのコラボレーションなどグローバル化を進め、2008年より海外の展示会にも積極的に参加していきます。また和傘の手法を取りいれた照明「古都里-KOTORI-」シリーズなどを海外輸出し、現在では15カ国に展開。2012年には「TCI Laboratory」を設立し、ミラノ・サローネで「Contemporary Japanese Design Exhibition」という展示会を主催しています。

数々のデザイン賞を受賞

日吉屋の照明は、国内外で「グッドデザイン賞」や「iF Product design award(ドイツデザイン賞)」など数々のデザイン賞を受賞。和傘の構造と素材感を違うプロダクトへ応用したチャレンジ、照明器具としての美しさや実用性、あえて紙を取りはらってメタル・ABSなどの現代的な素材を使ったモダンさなどが評価されました。

日吉屋のペンダントライト

モダンな伝統美。古都里-KOTORI- HGペンダント φ708

モダンな伝統美。古都里-KOTORI- HGペンダント φ708

出典元:rakuten.co.jp

京和傘を太陽にかざしたときの和紙から透けるやさしい光と、竹骨が織りなす幾何学模様の美しさを伝える『古都里-KOTORI-』シリーズ。2007年度のグッドデザイン賞のほか、ドイツでもデザイン賞を受賞しています。シェードは取り外して交換が可能。京和傘のように開閉ができるため、コンパクトに収納できるのもうれしいですね。サイズはこちらの直径70.8cmのほか、直径53cmと直径38.8cmも用意されており、それぞれ白・赤・紫・黒などのカラーがラインアップされています。伝統美を活かした、シンプルでモダンな照明です。
古都里(KOTORI)の複数使いのイメージ画像

出典元:rakuten.co.jp

複数並べて吊るすのも素敵ですね。色違いだとコントラストが際立ち、上品ながらも華やかな印象になります。

古都里(KOTORI)の近影画像

出典元:rakuten.co.jp

竹骨は一本の竹を割いて製作。細部まで丁寧に作りこまれているのが分かります。竹の素材感が、ナチュラルであたたかみのある雰囲気に。経年変化で、さらに味わい深い色合いになるのも楽しみですね。

出典元:rakuten.co.jp

和紙は布目の模様が美しく、しなやかで丈夫な王朝紙(おうちょうし)。平安時代の女性たちが恋文をしたためたという紙です。色和紙は五箇山和紙(ごかやまわし)を使用し、独特の深い色合いが美しい風情を醸しだします。

「動」を愉しむ。MOTO 赤色

「動」を愉しむ。MOTO 赤色

出典元:rakuten.co.jp

2010年のグッドデザイン賞や、2011年のドイツ・IFプロダクトデザイン賞を受賞した日吉屋の照明『MOTO』。イタリア語で「動」を意味するこのシリーズは、伝統できな和傘の構造からヒントを得つつも、スチールやABS樹脂を使い、和傘につきものの和紙を取り払ったモダンなデザインが特徴です。中央のリングを上下させることによってフレームを開閉させることができ、自由に角度を調整できます。シェードのサイズは直径42cm×高さ34.5cm、ケーブルを含めた全長は163cm。名前のとおり、時間や気分によって全体のフォルムと光の陰影をアレンジできる「動」の楽しみをもったペンダントライトです。
MOTOを下から見上げたイメージ画像

出典元:rakuten.co.jp

スチールやABS樹脂がモダンな雰囲気を醸しだしています。

中央のリング部分で開閉具合を調整のイメージ画像

出典元:rakuten.co.jp

中央のリング部分で開閉具合を調整。上側を広く・下側を広くなど自由に調節できます。

出典元:rakuten.co.jp

垂直にした状態。カラーバリエーションは写真の赤色のほか、黒色と白色もラインアップされています。

モダンな和の美しさをインテリアに取り入れよう

和のテイストとモダンさを併せもった日吉屋のペンダントライト。和傘の歴史や伝統に思いを馳せると、美しさもより際立って見えてきます。実際にインテリアとして見ても、コンパクトに収納できたりシェードを交換して楽しめるなど、実用性のあるアイテム。日本の伝統美をぜひ、お部屋に取り入れてみてはいかがでしょうか。

TOP画像:rakuten.co.jp

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