今回は、彼の代表作でもあるプロダクト『AKARI』シリーズのフロアライトをピックアップ。また、生い立ち、AKARIシリーズの特徴、製造元である『株式会社オゼキ』についてなど、さまざまな角度から特集しました。
歴史に残る偉大な芸術家の足跡に触れながら、AKARIシリーズの魅力に迫ります。












歴史に残る彫刻家イサム・ノグチ
20世紀で最も偉大な彫刻家の1人と評されているイサム・ノグチ。1904年11月17日にアメリカ・ロサンゼルスに生まれました。父親は英文学者であり詩人の野口米次郎。母親は作家のレオニー・ギルモアです。幼少期は、日本に渡り家族3人で生活していましたが、しばらくして米次郎が離れ母子家庭に。美しい自然の移り変わりを肌で感じた日本での生活は、イサムの中に眠る芸術性に大きな影響を与えます。その一方、家庭の問題やハーフであることへの差別など、幼い彼には苦しい時代でもありました。
辛い思いをしているイサムに母親が薦めたのが、アメリカの全寮制学校への進学。イサムは13歳のときに単身アメリカへ渡ります。その後、コロンビア大学へ進学し、医者を目指し医療を学ぶ傍ら、美術学校へも通い彫刻を学ぶことに。この時、彫刻家として周囲から「ミケランジェロの再来」とも呼ばれるほどの才能を開花させ、入学してわずか3ヶ月で個展を開催。彫刻家として生きていくことを決意します。
その後、パリへの留学や、日系人強制収容所への自発的な入所など、多くの経験を経たイサムは、彫刻作品への確固たるビジョンを形成していきます。世界各地でさまざまな作品を発表。「地球に刻まれる彫刻」という自信の構想を体現し、世界中で評価を高めました。慶応義塾大学の「新萬来舎」、広島の「平和大橋」、パリのユネスコ本部にある庭園など、多くの代表作を残しています。1987年には、当時のアメリカ大統領であるロナルド・レーガンから国民芸術勲章を受賞。マスター・プランに着手した「札幌モエレ沼公園」を遺作として、1988年12月30日に永眠します。公共空間を作品にしてしまう彼の作風は、現在においても、多くの場所で体感することができる芸術です。
AKARI(あかり)シリーズとは
『AKARI(あかり)』は1951年にイサム・ノグチがデザインした和紙の照明です。きっかけは、イサムが岐阜県の伝統的工芸品である「岐阜提灯」と出会ったことでした。AKARIのデザインは、ガラスやプラスティックに頼ることなく、古くから使われている紙・竹・木を使用しているのが特徴。機械化された生活スタイルのなかで、自然光に近い照明器具を生み出したいという想いが込められています。和紙特有のしわや色合いを残し、部屋全体に優しい光をもたらしてくれる作品です。日本グッドデザイン賞の受賞をはじめ、MoMA(ニューヨーク近代美術館)に収蔵されるなど、世界中で高い評価を得ています。
AKARIを製造している株式会社オゼキ
岐阜提灯の製造・販売を手がける『株式会社オゼキ』は1891年(明治24年)創業の老舗メーカー。創業2年後の1893年(明治26年)には、国際的な博覧会である「アメリカ・コロンブス博覧会」に岐阜提灯を出品。あらかじめ下絵を彫っている伊勢型紙を使って色彩を摺り込み、その絵紙を張っていく「摺込絵」という技術によって、提灯の大量生産を可能にしました。現在でも、伝統技術を継承しながら、岐阜提灯の新たな価値を提唱し続けています。「ベルギー・リエージュ・万国博覧会」で金賞、「フランス・パリ・美術工芸品博覧会」で金賞を受賞するなど、海外でも高い評価を受けています。1951年からイサム・ノグチのAKARIシリーズを製造。歴史と実績に裏打ちされた高い技術がAKARIのデザインに反映されています。
小さいサイズのAKARIフロアライト(41~49cm)
崩れているようなフォルム。1N

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殺風景だった和室によく合い大変満足してます。
買ってよかった!出典元:楽天市場
ランダムに映える竹ひご。1X

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組み立ても簡単で、早速明かりをつけてみると思った以上に明るくて良かったです。
コンパクトにおけて、お洒落なものを探してたのでピッタリでした。出典元:楽天市場
和紙の表情を感じる。1P

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かわいい模様と朱色。1AT

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友達への結婚のお祝いに送りました。形も色も可愛いので喜ばれましたよ☆出典元:楽天市場
中サイズのAKARIフロアライト(120~127cm)
本人もお気に入り。23N

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曲げ輪が使われた初期モデル。10A

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個性的なフォルム。27N

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オクテトラのようなデザイン。UF3-Q

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大きいサイズのAKARIフロアライト(160~190cm)
真ん中が膨らんだデザイン。14A

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印象的なフォルム。31N-ST2

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四角が重なって。36N+ST2

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大きくて長い提灯。32N+ST2

出典元:rakuten.co.jp
置き方にこだわってよりよい空間に

出典元:rakuten.co.jp
AKARIシリーズのフロアライトはデザイン性の高さだけでなく、和紙から伝わるやさしい光が魅力です。味わいのあるしわの表情も空間にぬくもりを与えてくれますよね。また、照明はどのよう場所に、どのようなものを、どのように置くかが重要。彼が残したこのような言葉をご存知でしょうか。
肝心なのは見る観点だ。
どんな物をも、一足の古い靴さえも
彫刻となるものは
その見方と置き方なのである。出典元:01-radio.com
どのような物でも置き方ひとつで周りの景色を変えることができる。固定概念に囚われず、さまざまな視点から空間のコーディネートを考えたくなる名言です。AKARIシリーズにもそのような気持ちをかき立てる魅力が詰まっています。
お部屋にAKARIを灯して、イサム・ノグチの世界観に触れてみてはいかがでしょうか。
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